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ピンクフロイドの夜 part‐03

 
(前々回からのあらすじ)
 

ピンクフロイドと期待して出向いた東京国際フォーラムは、
何とコピーバンドのコンサートだった。
8,800円もするチケットを手に震える私と友人のK氏(&その他大勢の観客)。
 
 

【OFF THE WALL ~PINK FLOYD SPIRIT~東京公演レポート②】
 
 

 
 「あっ、光と映像が物凄いんじゃない?」
 
 

私は必死に取り成した。
 
 


 「そ、そうですな。『THE WALL』からの曲が中心らしいですし、
 もしかしたら『THE WALL』全曲通しかもしれませんよ。
 それはそれで楽しみですな」
 
 

と、空気を読んだのかK氏も頷く。

THE WALL』とは私とK氏が大好きなピンフロのアルバムであり、
オペラのように壮大な物語が展開される2枚組み大作だ。

気を取り直し、
涙でにじんでいたステージを見やる。

そこには、実に小さな円形のスクリーンがあった。
本家ピンクフロイドが使う円形スクリーンの5分の1モデルだろうか。 
 
 

 
Honke 
 
 
 
 
(←本家。幕下の白い点がボーカル)
 
 
 
 
  
Nise  
  
 
 (←魂の方。)
 
 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
まさか、
この円形スクリーンは曲が進むにつれて段々と大きく・・・ならない。
理科室にあった虫メガネのように、終始こざっぱりしている。
 

そのうち、
80年代に流行ったレーザー光線も
ステージ上から我々の観客席に向けて発せられた。
 

光と映像のスペクタクルは以上。
重ねて言うが8,800円。

私は恐る恐るK氏に目を移す。

今度は彼も真っ赤な涙を隠してはいなかった。
いや、隠せなかった。
悔し泣きは甲子園球児さながらである。
 
 
  

   「よし、飲みますか」

吹っ切れた表情のK氏の手元には、
なぜか“いいちこ”のボトルがあった。

もちろんコンサート会場に酒類の持込、飲酒はご法度だ。
彼も自宅で飲む用に大きめのサイズを買っていただけだろう。
 
 

でも、開けた。
 
二人で直瓶ストレートをグビグビ飲みだした。
 
 
 
 

 「まあ、気持ち良く酔って『THE WALL』の生演が聞ければ良いですよ」
 
 

二人の武士(もののふ)は気を飲み込み、曲に聞き入ることにした。
 
 

1曲目は、ブッチャーの入場曲で御馴染み『吹けよ風、呼べよ嵐』
 


  (お、『THE WALL』に入る前のボーナス曲で掴んできたな)
 
 
 
と少し気持ちが高まる。

2曲目、ピンフロファン歴の長い私でも思い出せない曲。
 
 
 
 (あれ、ずいぶんとマイナーな選曲をするなあ・・・)
 
 

3曲目、ピンフロファン歴の長いK氏でも思い出せなかった曲。
 
 
 
(・・・ ・・・ ・・・?!)
 
 

4曲目は、アルバム『狂気』から、、、
 
 
 
 


(・・・って、おい! 『THE WALL』の曲は?!)
 
 

 
私は横合いのK氏をチラリズム。

K氏の涙はすでに枯れ果てていた。
猛々しい普段の表情から精気が抜け、
頬から涙ではなく、唇から“いいちこ”が伝わり落ちていた。
オトコの抜け殻である。

結局、13~4曲中『THE WALL』からの選曲は3曲ほど。
コンサートタイトル“OFF THE WALL”の日本語訳を終演後初めて知った。

会場を後にした私とK氏は、近くの赤提灯でグレた。

今回の興行主は「テイト・コーポレーション」。
初めて知った名だったが、強烈な印象を我々に残してくれた。

私はK氏と別れ、終電に揺られる。
ふとマイバックを覗くと、
コンサート会場でいろいろと貰う公演パンフレットの類がどっさりと。
一人帰りの寂しさから読み出したパンフの一つで私は酔いを醒ました。
 

 

 『来日決定ブルースブラザーズ ライブツアー2009』
 
 


 (・・・ぜっ、絶対に観に行く!!!)
 


ジョン・ベルーシーが死んでいることなんかすっかり忘れ、
電車の中で快哉の声を上げそうになる私。
 
 
 

 

パンフレットの一番下には、
「テイト・コーポレーション」と記載されていた。

(了)
 
 

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